・恋愛で返報性の原理って本当に使えるの!?
人は「相手から受けた恩には報いたくなる」という心理を持っており、恋愛に限らずビジネスや日常のコミュニケーションの中でも広く使われている心理テクニックが「返報性の原理」と呼ばれています。
主に今回の記事で解説する恋愛の場面では、好きな人に好意を伝えたり何かを尽くしたりすることで相手の返報性の原理に訴えかけ、劇的に好感度をアップさせる使い方として有効的な恋愛心理テクニックです。
今回はこの返報性の原理という恋愛心理テクニックについて解説し、効果的な活用例や使用する上での注意点などについてご紹介していきます!
▼▼本記事のコンテンツ内容▼▼
・返報性の原理とは!
・恋愛で効果的な活用法を知ろう!

恋愛上手は返報性の原理を使ってる!?

まずは返報性の原理について理解しよう!
返報性の原理とは!?

返報性の原理とは、いわば「ギブアンドテイク」の状況を言います。
誰でも相手に施されてばかりであると段々と気まずい気持ちになっていく傾向にあり、何か小さなことでも「お返しをしたくなる」という心理を持っています。
返報性の原理とは1984年に社会心理学者である【ロバート・B・チャルディーニ】の本により発表され、瞬く間に有名な心理効果となりました。
人は他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱くが、こうした心理をいう。
私たちの日常生活の中から例を挙げると、例えばスーパーの試食コーナーでは無料で食品の試食体験を行っています。
どれだけ商品のことを「美味しい」と宣伝してみても、実際に食べてみなことにはわからないので、試食体験を行うことで実際の味を体感してもらうことと同時に、試食を「無料」で提供していることに返報性の原理を働かせているのです。
試食コーナーは小さな子供も大好きなので、子供が「もう一つちょうだい!」とねだって試食コーナーのスタッフが快く応じてくれると、子供の親はそのまま去るのは「申し訳ない」という気分になり、本当は買うつもりはなかったのについついカートに入れてしまうという光景は見たこともあるのではないでしょうか。
また恋愛イベントの代表例として「バレンタインデー」がありますが、これも返報性の原理が上手く働いている例となります。
バレンタインにチョコレートを貰った人はその時点で翌月の「ホワイトデー」のことを思い浮かべ、「何をお返ししようかなぁ」なんて考える人も多いことと思います。
このようにまずは自分から相手に「ギブ」することで、その後の「テイク」を狙うという心理テクニックが返報性の原理の本質となります。
返報性の原理には4つの分類がある!

返報性の原理は大きく分けると4つの分類が可能となっています。
- 好意の返報→自分が好意を伝えることで相手が意識してくれるようになる
- 悪意の返報性→相手に敵意を向けることで、相手も攻撃的になる
- 譲歩の返報性→自分が先に譲歩すれば、相手も譲歩してくれる
- 自己開示の返報性→自分が情報をオープンにすると、相手もオープンになる
返報性の原理を使う場面に応じても4つの分類は区別されますが、恋愛においては主に「好意の返報性」を効果的に活用することが重要になります。
好きな人がまだ自分のことを恋愛対象として見ていなかったとしても、自分から好意を伝えることで自然と相手が自分のことを意識してくれるようになり、上手くいけば恋愛の相手として認識してくれるようになります。
返報性の原理についての実験を紹介!

返報性の原理に関しての実験はいくつかありますが、その中でもイノ太郎が興味深い実験として好きなのはとあるグループ実験です。
心理学者の【デニス・リーガン】はまず「美術館に展示されている作品を評価する」という名目で人を集め、2人1組のグループをA,B,C,Dの4つに分けました。
2人1組のうち片方は実験の内容を知るサクラであり、もう片方が被験者となります。
- グループA:特に何もせず、淡々と作業をこなす
- グループB:休憩時間にジュースを2本買ってきて、1本を被験者にプレゼントする
- グループC:わざと横柄な態度をとったり、大声で怒鳴ったりする
- グループD:Cと同様に悪い人を演じますが、ジュースを被験者にプレゼントする
作業終了後、サクラは被験者に対してジュースの2倍の値段がするチケットを買ってくれないかと依頼をするのですが、「B・Dのジュースをプレゼントしたグループ」は「A・Cのジュースをプレゼントしなかったグループ」と比べてチケットの購入率が2倍という結果になりました。
Bは単純に「ギブ」を与えているので他のグループよりも購入率が高くなるのはなんとなく分かりますが、横柄な人を演じていたDのグループまでBと同様の購入率となりました。
これはまた少し違った心理テクニックで「ゲインロス効果」が複合的に作用した結果と予想できます。

返報性の原理の活用方法を見ていこう!

「好意の返報性」は素直に気持ちを伝えよう!

好意の返報性は自分の好きな気持ちを伝えることで、相手がそれほど意識していなかったとしても、少しずつあなたのことを意識するように仕向けることができる心理テクニックです。
誰でも相手から好意を持たれれば嬉しい気持ちになりますし、それが純粋な気持ちで伝えられたなら少ならかず相手のことを意識してしまうことでしょう。
好意を伝えるということは、何もいきなり玉砕覚悟で告白して「好き」と伝えることではなくて、好きな相手のために何かをしてあげたり相手のことを心から褒めてあげたりと「私はあなたに好意を持っています」というシグナルを発してあげることです。
心理テクニックとしてはその後の「テイク」を期待するのですが、本当に好意の返報性を上手に活用できている人とは、下手な下心を持たずに純粋な気持ちで相手へ尽くして上げることができる人です。
打算的な施しは相手の不信感にも繋がりますので、好きな人の気を引きたいならば、まずは見返りを求めずに自分の好意を伝えてあげる「ギブ」の心が大切です。
「譲歩の返報性」はデートに誘う時に便利!

譲歩の返報性は自分から先に折れてあげて譲歩することで、相手も「ここまでしてくれたなら」という心理が働き譲歩しやすくなるという心理テクニックです。
譲歩の返報性は初期段階より少し関係性が進んでいる間柄の時に使いやすく、好きな人をデートに誘う時などに効果を発揮します。
- 自分「今度の週末、飲みに行こうよ」
- 相手「え~、でも今月ちょうど飲み会続きで金欠なんだよねぇ」
- 自分「仕方ないなぁ、今回は奢ってあげるから次はそっちの番だぞ?」
- 相手「ラッキー!それじゃ今週末楽しみにしてるね♪」
好きな人を飲みに誘いたい時の場面の一例ですが、自分が「奢ってあげる」ことで金銭面を譲歩してあげることで、相手の心配の種がなくなり食事デートの約束を取り付けることができました。
まだ一緒に遊びに行くような関係性でない場合には難しいですが、ある程度の信頼関係が構築できているならば高確率でデートに誘うことが可能になります。
その他にも「仕事を手伝ってあげる」ことや「家まで送ってあげる」など、ある程度の関係性であれば、自分の手間をかける代わりに相手のお返しを要求しやすい心理テクニックと言えます。
「自己開示の返報性」でお互いのことを知ろう!

あまり仲良くない関係性でまだ警戒心を持たれている場合、相手の趣味や趣向を聞き出すことはなかなか難しいことでしょう。
そんな時には無理に相手の情報を引き出そうとするのではなく、まずは自分から情報を開示してあげることで相手が話しやすい状況を作り出しましょう。
- 自分「弟がいて子供の頃はしょっちゅう喧嘩してたよ。兄弟はいるの?」
- 自分「昔から実家で犬を飼ってたから1人暮らし始めてからも飼い始めたんだ。動物は好き?」
会話の展開方法はもっと工夫する必要がありますが、話の進め方としての一例になります。
まず相手の知りたい情報に関して自分から開示してあげることで、相手も話しやすくなり自然な流れで聞き出すことができるようになります。
自己開示のメリットは、相手の情報を聞き出すことだけでなく「自分のことも相手に知ってもらえる」という点もありますので、ありのままの自分を開示することで相手との信頼関係を構築していきましょう!
SNSでの返報性の原理の活用法とは!?

現代ではネットでのコミュニケーションも活発化していますが、返報性の原理はSNSにおいても効果的に活用することが可能です。
SNSでのコミュニケーションは対面よりも返報性の原理が働きやすい環境とも言えるので、是非活用していきたいですね。
- SNSでの相手の投稿にイイネやコメントをする
- 皆が欲している情報を投稿することでバズる
人がSNSを使う上での欲求の1つに「承認欲求」があり、この承認欲求を刺激してあげることで相手の好感度を上げることも簡単になります。
SNSでフォローしてくれたらフォローし返す心理なども返報性の原理に当てはまり、コミュニケーションの本質は承認欲求が重要であることを意味しています。
好きな人の好感度を上げたいならば積極的にSNSでの交流も増やすことで、別の心理テクニックである「ザイオンス効果」と併用することもできるのでおすすめです!

返報性の原理の効果が望めないパターンとは

しっかり理解して信頼関係を構築できるようにしよう!
相手が望んでいないものを与えても意味がない

返報性の原理は基本的に自分から何かを尽くすことで、相手の「お礼」を引き出す心理テクニックとなりますが、そもそも相手の望んでいないことを提供しても効果は望めません。
- 誕生日でもないのに高価な物を贈る
- 相手の好みじゃない趣向品をプレゼントする
相手が望んでいないことを恩着せがましく「ギブ」したとしても、相手の感情には何も響かないばかりか、かえって「重い」と受け取られ信用を失うことにも繋がります。
相手に下心が見え見えだと引かれてしまうので、まだ関係性が構築できていない内はちょっとした「貸し借り」程度の軽い気遣いから始めてみることをおすすめします。
無理しすぎて好きな人に尽くすことは避けよう!

「好きな人に喜んでほしい」という感情は誰でも思うことでしょう。そのためなら他の人にはしないようなことも頑張って尽くしたいと考えることは至極当然のことです。
ただ好きな人に尽くして好感度を上げたいと思うあまりに、身の丈に合わないような「ギブ」をすることは避けるべきです。
- 収入に見合わないブランド物ばかり買ってあげる
- 他の予定があっても呼ばれればすぐに駆け付ける
- 相手に非があっても全て自分が悪いと受け入れ言いなりになってしまう
好きな人を繋ぎとめておくために無理をしすぎても、その一時は良くても後々に自分の首を締めることに繋がります。
無理して好感度を上げて付き合えたとしても、いつかあなたの中で限界がおとずれ相手の要求に応えられなくなる日がきた時に関係性が終わってしまう可能性が高くなります。
相手があなたと付き合った理由は「なんでも言うことを聞いてくれるあなた」ですから、それに応えられなくなれば「こんなはずじゃなかった」と結局は上手くいかなくなるでしょう。
あくまで自分らしさを大切に、好きな人との関係性を構築することが重要と言えるのです。
「やってもらって当たり前」の人には効果は望めない

中には人に何か貰ったりやってもらうことを「当然」と受け取るような自尊心の高い人がいます。
- 自分はカッコイイ(可愛い)から周りからチヤホヤされて当然だ
- 自分は人のために何かするよりも、される方が大好きだ
あなたの好きな人がこの自尊心の高いレベルの人であったなら、返報性の原理で信頼関係を構築することは避けた方が良いでしょう。
いくらあなたが相手に与えたとしても、相手から相応の対価が返ってくることは期待できません。
自分ばかりが精神的にも疲弊することに繋がりますので、もし心理テクニックを駆使するにしても、別のテクニックを用いることをおすすめします。
今日のまとめ
- 返報性の原理は下心のない純粋な「ギブ」から始まる!
- 本当に相手の望むことにこだわって尽くすことが重要!
いかがでしたでしょうか。
返報性の原理はそれほど難しいテクニックでもなく、コツコツと好きな人の好感度をアップできる便利な心理テクニックとなるので、是非マスターしましょうね!
ただ好きな人のために頑張りすぎることは逆効果にも繋がりますから、あなたらしさを大事にすることをおすすめします。
それではまた次の記事でお会いしましょう!
